液体ガラスとは

液体ガラスとは

液体ガラスとは

石英ガラスは、自然界では2000℃の温度で溶解し、冷却にともない硬化しガラス化します。

1970年にはゾル・ゲル法の考案により、シリカゲルを600℃程度の温度で溶解させ、ガラスとして硬化させる技術が発達しました。

これは人類にとって省エネという大きな技術革新でしたが、それでもまだ、約600℃という高温を必要としました。

しかし遂に20世紀末、液状化した石英ガラスを私達の生活している温度領域で安定化・硬化させる技術を見つけ出すことが出来たのです。

この技術を利用したのが、液体ガラスです。

これは無機化学の画期的な技術であり、これにより、今まで不可能とされていたことが可能となるとともに、様々な活用法が生み出されています。

原理

液体ガラス【fluid glass】が固体であるガラス物質【glass material】への化学変化は、金属が水または溶液と接するとき、陽イオンになる傾向から説明できます。例えば、金属M1が別種の金属イオンM2を含む電解質溶液に接するとき、M1のイオン化傾向がM2により大きいほど下記のイオン置換反応は右へ進みます。

M1(未解離)+M2(イオン)→M1(イオン)+M2(未解離)・・・①

液体ガラス【fluid glass】は、次のように加水分解されます。

M12SiO3+H2O→M12SiO5+M1OH・・・②

ただし、式②中

M12SiO3=M12O・SiO2、M12SiO5=M12O・2SiO2です。

材料中のM2O等が、液体ガラスと反応してM2のガラス質塩【a silicate】及びコロイド【colloid】 のシリカ【silica】を生成します。

M12SiO5+M2O+ H2O→M2SiO3+SiO2+Si(OH)4+M1OH